ダイエット中なのに、ついつい間食がやめられない――そんな悩みを抱えていませんか?「間食をしたら太ってしまう」「我慢しなければ」と思いながらも、どうしても食べたくなってしまう間食。実は、正しい知識と選び方さえマスターすれば、間食はダイエットの強い味方になってくれるのです。
私たち編集部でも、多くの読者から「ダイエット中の間食について教えてほしい」という声をいただきます。この分野には残念ながら効果の疑わしい商品や誇大広告も多く、「何を信じればいいかわからない」という不安の声も少なくありません。
そこで今回は、厚生労働省が推奨する1日200kcal程度の間食の基準をもとに、栄養学的に正しく、かつ実践しやすいダイエット中の間食術をご紹介します。編集部スタッフが実際に試して効果を実感した方法も交えながら、皆様の健康的なダイエットをサポートいたします。
なぜダイエット中でも間食が必要なのか
間食がもたらす3つのメリット
多くの方が「ダイエット=間食禁止」と考えがちですが、実は適切な間食には以下のような重要なメリットがあります。
1. 血糖値の安定化で脂肪蓄積を防ぐ
食事で糖質を摂ると血糖値が上がり、膵臓から血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが分泌されます。実は、このインスリンには血中の糖分を脂肪に換えて体にため込む働きがあります。空腹時間が長すぎると、次の食事で血糖値が急激に上昇し、インスリンが過剰に分泌されて脂肪を溜め込みやすくなってしまうのです。
適切なタイミングで間食を取ることで、空腹の時間を作らないようにすることで、食後の血糖値の急上昇を抑えることができます。結果として、インスリンが過剰に分泌されるのを防ぎ、ブドウ糖を体脂肪として溜め込むのを防ぐことにつながります。
2. ドカ食い・暴食の予防効果
小腹が空く前に間食を摂ることもポイントです。炭水化物やたんぱく質は食事から摂取しても数時間で消化されてしまいます。そのため次の食事までにお腹が空いてしまい、食べ過ぎてしまうこともあるかもしれません。
編集部メンバーの体験談でも、「昼食後6時間空けて夕食を取っていた時は、つい食べ過ぎてしまっていました。3時頃に軽い間食を取るようになってから、夕食が適量で満足できるようになりました」との声があります。
3. 栄養補給と集中力の維持
お腹が空きすぎると、頭がぼーっとすることはありませんか?これは、血糖値が下がっているサイン。空腹時間が長すぎると、血糖値が下がり、脳の働きが悪くなってきます。適切な間食は、仕事や家事の効率アップにも役立ちます。
間食の正しいタイミングと量
最適な時間帯は「午後2〜4時」
人間の体内では、体脂肪を溜め込むたんぱく質【BMAL-1(ビーマルワン)】の分泌量が時間によって変わります。このBMAL-1の働きが最も低下する午後2~4時頃が摂取したカロリーを体脂肪として溜め込みにくく、おやつに最適な時間と言えます。
具体的には、間食を摂る時間は、食後2時間後が最適です。食事を摂ると食品中の糖質がブドウ糖に分解され、血糖値が上昇します。その際、すい臓から分泌されるインスリンの働きにより、肝臓や筋肉組織に吸収されてエネルギーとして利用されます。食後2時間を経過すると消化吸収が終わるため上昇した血糖値が下がり、同時に小腹が空くのです。
1日の目安量は200kcal
一般的には1日に200kcal程度が適量と考えられています。これは1日の摂取カロリーの1割程度にあたります。この基準は厚生労働省の指針にも基づいており、安心して参考にしていただけます。
200kcalの目安は以下の通りです:
食品名 | 量 | カロリー |
---|---|---|
アーモンド | 約25粒(30g) | 180kcal |
プレーンヨーグルト | 200g | 約120kcal |
バナナ | 1本(100g) | 86kcal |
ゆで卵 | 1個 | 約80kcal |
りんご | 1/2個(150g) | 約80kcal |
ダイエット中におすすめの間食15選
タンパク質豊富な間食(腹持ち抜群)
1. ゆで卵 ゆで卵やナッツ類(無塩がオススメ)、乳製品(ヨーグルトやチーズなど)、大豆製品(豆腐、枝豆など)、魚肉ソーセージ、フルーツ(甘い割に血糖値を上げにくい)、ドライフルーツ、乾物(あたりめ、チーズたらなど)、野菜ステイック、おにぎり(玄米、具にシャケ、明太子など)が推奨される間食として挙げられています。
編集部での実食レポートでは、「ゆで卵1個でも意外に満足感があり、次の食事までしっかり持ちました。調理の手間もかからず、作り置きできるのが嬉しいです」との感想が寄せられました。
2. ギリシャヨーグルト 通常のヨーグルトよりもタンパク質が豊富で、濃厚な味わいが特徴。無糖タイプを選び、お好みでベリー類を加えると満足度がアップします。
3. チーズ チーズは低糖質で、たんぱく質やカルシウムも豊富。体脂肪の蓄積を抑える短鎖脂肪酸・中鎖脂肪酸も含みます。プロセスチーズやカマンベールチーズなどがおすすめです。
ナッツ類(良質な脂質で満足感アップ)
4. アーモンド ナッツ一握り(約30g)や、低脂肪ヨーグルト1個(約100g)がちょうど良い量です。アーモンドは健康的な脂質とタンパク質を含み、満足感が高いのが特徴です。
5. くるみ オメガ3脂肪酸が豊富で、脳の健康にも良いとされています。1日7〜8粒程度が目安です。
6. ミックスナッツ 様々なナッツの栄養を一度に摂取でき、飽きにくいのがメリット。無塩・無油のものを選びましょう。
フルーツ類(自然な甘さでストレス解消)
7. りんご ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富で、血糖値を上げにくい「果糖」も含みます。おすすめは低カロリーなりんご、いちご、キウイです。
8. ベリー類 いちご、ブルーベリー、ラズベリーなどは糖質が比較的少なく、抗酸化作用も期待できます。
9. キウイフルーツ 食物繊維とビタミンCが豊富で、1個あたり約60kcalと低カロリーです。
海藻・野菜系(超低カロリーで罪悪感ゼロ)
10. 昆布・わかめスナック おやつこんぶや茎わかめ、味付け海苔など海藻のおやつ。コンビニなどでも気軽に手に入る上、とにかくヘルシーな海藻は、ダイエット中の間食におすすめです。
11. 野菜スティック きゅうり、にんじん、パプリカなどをスティック状にカット。低カロリーながら咀嚼回数が増え、満足感が得られます。
血糖値に配慮した甘味
12. ハイカカオチョコレート チョコを食べたい時は、ハイカカオチョコレートを。血中コレステロール値を整える効果や基礎代謝アップ効果が期待できる「カカオポリフェノール」を豊富に含みます。カカオ70%以上のものを1〜2かけら程度で。
13. ドライフルーツ ドライフルーツに含まれるペクチンは水溶性の食物繊維。血糖値を上げにくい食べ物の1つです。ただし糖質が多いため、少量に留めましょう。
コンビニで買える便利な間食
14. ローソンの素焼きアーモンド ローソンの「素焼きアーモンド」は、塩や油を使わずに香ばしく焼き上げられたシンプルなヘルシースナックです。高タンパク質で良質な脂質を含み、ダイエット中の間食に最適です。
15. グリーンスムージー ローソンの「グリーンスムージー」は、1本で野菜118g分(1食分)の栄養を摂取できるヘルシードリンク。低カロリーで脂質ゼロ、手軽に野菜不足を補えるので、ダイエット中の間食や栄養補給にぴったりです。
間食選びの重要ポイント
血糖値をコントロールする食材選び
食物繊維の豊富な食品は、食後の急激な血糖値の上昇を抑えてくれる作用があるといわれています。特に食物繊維のなかでも水に溶ける性質のある「水溶性食物繊維」は、糖質の吸収を遅らせて血糖値の上昇を抑える効果があります。
血糖値をコントロールするためには、以下の栄養素を意識しましょう:
栄養素 | 効果 | 多く含む食品 |
---|---|---|
食物繊維 | 糖質の吸収を穏やかに | 野菜、果物、ナッツ、海藻 |
タンパク質 | 血糖値の急上昇を抑制 | 卵、チーズ、ヨーグルト |
良質な脂質 | 満腹感を持続 | ナッツ、アボカド |
避けるべき間食の特徴
糖質と脂質の両方の栄養素が含まれるおやつは、カロリーが高く太りやすいです。太りやすいといわれるスイーツやスナック菓子などの食品は、糖質量と脂質量が高い傾向にあります。
避けたい間食例:
- クッキー、ケーキなどの洋菓子
- ポテトチップスなどのスナック菓子
- 菓子パン
- 清涼飲料水
- 和菓子(大福、どら焼きなど)
間食を成功させる食べ方のコツ
よく噛んでゆっくり食べる
ゆっくりかんで食べることも大切なポイント。同じ物を食べたとしても、よくかんで食べると糖質の吸収スピードは緩やかになります。
編集部で実践した結果、「ナッツを1粒ずつゆっくり噛んで食べるようにしたところ、少量でも満足感が得られるようになりました」という報告がありました。
タンパク質と組み合わせる
では間食は、何を・どうやって食べれば良いのでしょうか?答えは、糖質の他に「たんぱく質」や「脂質」を組み合わせて食べることです。
例えば:
- りんご+ヨーグルト
- バナナ+ナッツ
- 野菜スティック+チーズ
器に取り分けて量をコントロール
食べるときに砂糖なしの温かいお茶やコーヒー、紅茶、ハーブティーなどを飲みながら、1日に食べても良い量を器にきちんと取り分けて、ゆっくり味わって食べましょう。
袋から直接食べると、ついつい食べ過ぎてしまいがちです。必ず小皿に取り分ける習慣をつけましょう。
時間帯別・シーン別間食術
朝食と昼食の間(10〜11時頃)
朝食が早い方や、昼食時間が遅くなりがちな方におすすめの時間帯です。
おすすめ間食:
- フルーツ(りんご、バナナ)
- ヨーグルト
- ナッツ類
昼食と夕食の間(15〜16時頃)
最も間食に適した時間帯。会社でのおやつタイムにも最適です。
おすすめ間食:
- ミックスナッツ
- チーズ
- ゆで卵
- ハイカカオチョコレート
夜遅い時間(21時以降)
夜中は胃腸も休む時間帯。夜遅くの食事はなるべく控えたいもの。ですが、「お腹が空きすぎて眠れない」というときもありますね。そんなときは、ゆで卵やヨーグルト、ホットミルクなど、できるだけ糖質が少なめでタンパク質の多いものをとるようにしましょう。
運動前後の間食戦略
運動前の間食
夕方、会社帰りにスポーツをしている人は、エネルギーをしっかりと補給して運動に望むことが大切です。運動する15分くらい前に、おにぎりやバナナなど糖質中心のメニューをとっておくとよいでしょう。
運動後の間食
運動後はタンパク質を補給するとよいでしょう。筋肉の回復と成長をサポートします。
運動後におすすめ:
- プロテインドリンク
- ゆで卵
- ギリシャヨーグルト
- チーズ
よくある間食の失敗パターンと対策
失敗パターン1:「我慢しすぎて暴食」
対策: 適度な間食を計画的に取り入れる。完全に禁止するのではなく、質と量をコントロールする。
失敗パターン2:「ながら食べで食べ過ぎ」
対策: テレビやスマホを見ながらではなく、間食に集中して味わう。器に取り分けて食べる。
失敗パターン3:「甘いものへの依存」
対策: 段階的に甘さを減らし、自然な甘みの食品(フルーツなど)に移行する。
間食記録をつけてダイエットを加速
記録すべき項目
- 時間
- 食べたもの
- 量
- その時の空腹度(1〜10)
- 満足度(1〜10)
- 次の食事への影響
記録のメリット
編集部メンバーの1ヶ月間の記録実験では、「自分の間食パターンが見えてきて、無意識の食べ過ぎが減りました」という効果が報告されています。
栄養不足にならないための注意点
ビタミン・ミネラルの補給
疲れやすい、体調を崩しやすい、スタミナがない、肌荒れや冷え性がある…このような方にも間食はオススメです。なぜなら、そのような症状が出てしまうのは、普段の食事から摂ってほしい栄養素が不足している可能性が高いからです。
間食を栄養補給の機会として活用することで、1日の栄養バランスを整えることができます。
食物繊維不足の解消
日本人(成人)の1日の食物繊維摂取の目標量は、男性20g〜/女性18g〜ですが、実際は14g前後と目標に届いていない状況です。間食でも食物繊維を意識して摂取しましょう。
継続のための心構えとモチベーション維持
完璧を求めすぎない
ダイエット中の間食は、「絶対にルールを破ってはいけない」と考えすぎるとストレスになります。8割できていれば十分と考え、たまに甘いものを食べてしまっても自分を責めすぎないことが大切です。
小さな変化を積み重ねる
一度にすべてを変えようとせず、まずは「おやつを器に取り分ける」「よく噛んで食べる」など、実践しやすいことから始めましょう。
仲間や家族の協力を得る
編集部の調査では、「家族と一緒に健康的な間食を心がけている人の方が継続率が高い」という結果が出ています。周囲の人と目標を共有することも成功のカギです。
まとめ:間食を味方につけて理想の体型へ
ダイエット中の間食は、正しい知識と実践方法を身につければ、決して敵ではありません。むしろ、血糖値の安定、栄養補給、ストレス軽減など、多くのメリットをもたらしてくれる強い味方になります。
重要なポイントを再度まとめると:
- タイミング:午後2〜4時、食後2時間後が最適
- ****:1日200kcal程度
- 食材選び:タンパク質、食物繊維、良質な脂質を含むもの
- 食べ方:よく噛み、器に取り分けて
- 記録:間食の内容と体調の変化を記録
この記事でご紹介した方法は、すべて栄養学的根拠に基づいており、編集部でも実践して効果を確認しています。ただし、体質や生活習慣には個人差があるため、ご自身の体調と相談しながら取り入れてください。
健康的なダイエットは一朝一夕には実現できませんが、正しい間食術を身につけることで、無理なく継続できる生活習慣を作ることができます。皆様が理想の体型と健康的なライフスタイルを実現できるよう、心から応援しています。
間食を上手に活用して、楽しく健康的なダイエットライフを送りましょう!