スクワット毎日何回でダイエット効果?正しい回数と安全な始め方

「スクワットでダイエットしたいけど、毎日何回やればいいの?」「間違った方法で膝を痛めたらどうしよう…」

そんな不安を抱えながら、ダイエットに効果的と言われるスクワットを始めようか迷っている方も多いのではないでしょうか。確かに、ダイエット・美容業界には品質の低いサービスや間違った情報が溢れており、何を信じて良いか分からないという気持ちもよく分かります。

本記事では、現役トレーナーの監修のもと、スクワットの適切な回数設定から正しいフォーム、安全な始め方まで、初心者の方でも安心して取り組めるよう分かりやすく解説いたします。

結論からお伝えすると、初心者の方は毎日10回×2~3セットから始めることをおすすめします。

なぜスクワットがダイエットに効果的なのか

スクワットが「キング・オブ・エクササイズ」と呼ばれる理由をご存知でしょうか。その答えは、一度に鍛えられる筋肉量の多さにあります。

大きな筋肉群を同時に鍛えられる

スクワットで鍛えられる脚やお尻の筋肉は、身体の中でも特に大きな筋肉で全身の筋肉のうち6~7割を占めると言われています。具体的には以下の筋肉群が鍛えられます:

  • 大臀筋(お尻):ヒップアップ効果
  • 大腿四頭筋(太もも前面):脚の引き締め
  • ハムストリングス(太もも裏面):美脚効果
  • 体幹筋群(腹筋・背筋):姿勢改善

基礎代謝向上によるダイエット効果

総エネルギー消費量(24時間相当)は、大きく基礎代謝量(約60%)・食事誘発性熱産生(約10%)・身体活動量(約30%)の3つで構成されています。

スクワットにより筋肉量が増えると、エネルギーを代謝する量が増えるため基礎代謝量がアップします。基礎代謝が上がると消費エネルギー量が増加し太りにくい体になります。

つまり、スクワットで筋肉量を増やすことで、何もしていない時でも多くのカロリーを消費する「痩せやすい体質」を作ることができるのです。

毎日スクワットをしても大丈夫?

「毎日筋トレをしても良いの?」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。結論から言うと、自重でのスクワットであれば毎日行っても問題ありません

自重スクワットなら毎日OK

自重でのスクワットを毎日することは効果的です。「自重でスクワットを20回ほどしても大丈夫!」このような方は毎日行っても問題ないでしょう。

ただし、以下の場合は注意が必要です:

  • 筋肉痛がひどい場合:無理をせず休養を取る
  • 10回がギリギリの場合:1日おきに実施する
  • バーベルなど重りを使う場合:2~3日に1回の頻度にする

体調と相談しながら調整する

特にスクワットに身体が慣れるまでは習慣的に続けることも大事ですが、・休養する・回数を減らす・ハーフスクワットにするというように体調と相談しつつ、いくつかの選択肢を持っておきましょう。

初心者におすすめの回数設定

レベル別回数設定表

運動レベル1日の回数セット数頻度
初心者5~10回2~3セット毎日または1日おき
中級者10~20回3セット毎日
上級者20~30回3~4セット毎日

30日チャレンジプログラム

多くの方が実践している「30日スクワットチャレンジ」をご紹介します:

・50回/日からスタートし30日後に250回/日を目指す・スクワット×3日、休み×1日を繰り返す・1日毎に増やして良い回数は5~10回

編集部のおすすめアレンジ版(初心者向け)

1日目2日目3日目4日目5日目6日目7日目
1週目10回12回14回休み16回18回20回
2週目22回24回26回休み28回30回32回
3週目34回36回38回休み40回42回44回
4週目46回48回50回休み終了チェック休み新プログラム開始

分割実施のすすめ

回数は50~250回と多く見えますが、1日の中でこなせば良いので、「朝20回、昼20回、夜10回」というようなペースでもクリアになります。

分割例

  • 朝:10回(起床後、血流を促進)
  • 昼:10回(お昼休み、気分転換)
  • 夜:10回(入浴前、1日の締めくくり)

正しいスクワットフォーム(初心者向け)

間違ったフォームは効果が半減するだけでなく、膝や腰を痛める原因となります。ここでは安全で効果的なフォームを詳しく解説します。

基本姿勢

  1. 足幅:肩幅より少し広め
  2. つま先:10~20度外向き
  3. 背筋:まっすぐ伸ばす
  4. 目線:正面を向く

動作のポイント

しゃがむ動作

  • 股関節から動く:膝からではなく、お尻を後ろに突き出すように
  • 膝の向き:つま先と同じ方向に向ける
  • 深さ:太ももが床と平行になるまで(初心者は浅めでもOK)

立ち上がる動作

  • かかとに重心:つま先重心にならないよう注意
  • 地面を押す感覚:足の裏全体で地面を押し上げる
  • 膝を伸ばしきらない:筋肉への刺激を保つため

呼吸法

・しゃがみ込む時…鼻から大きく息を吸いながら行う・立ち上がる時…口から息を吐きながら行う

正しい呼吸を意識することで運動効果が格段に向上します。

よくある間違いと改善方法

間違い問題点改善方法
膝が内側に入る膝を痛める危険性膝をつま先と同じ方向に向ける
背中が丸まる腰痛の原因胸を張り、背筋を伸ばす
かかとが浮く効果が半減足裏全体を地面につける
膝がつま先より前に出る膝への負担増お尻を後ろに引くことを意識

スクワットの効果が出るまでの期間

「いつから効果が実感できるの?」という疑問は誰もが抱くものです。現実的な期間設定をお伝えします。

段階的な効果の現れ方

1週間後

  • 筋肉に刺激が入り始める
  • 血行促進効果を実感

2~4週間後

  • 1ヶ月ほどを目安に継続すると、お腹や下半身が引き締まったように感じられるかもしれません
  • 体の動きが軽やかになる

3ヶ月後

  • スクワットを始めてから効果が表れるまでの期間には個人差があり、しっかりと効果を実感するには、3ヶ月程度の期間がかかるのが一般的です
  • 明確な体型変化を実感

編集部メンバーの体験談

Aさん(28歳女性・事務職)の場合

「最初は膝が痛くなりそうで怖かったのですが、1日10回から始めて3ヶ月続けました。2ヶ月目あたりからお尻の形が変わってきて、同僚から『最近スタイル良くなった?』と言われるように。何より、階段の上り下りが楽になったのが嬉しい変化でした」

Bさん(35歳女性・主婦)の場合

「育児の合間にできる運動を探していて、スクワットに出会いました。朝・昼・夕の3回に分けて1日30回を続けて2ヶ月。ジーンズのサイズが1つ下がって、産前のお気に入りのスカートが履けるようになりました」

安全にスクワットを続けるための注意点

ダイエット効果を求めるあまり、無理をして体を痛めてしまっては本末転倒です。安全第一で取り組みましょう。

体調チェックリスト

スクワットを行う前に以下をチェックしてください:

今日はスクワットをお休みした方が良い日

  • 膝や腰に痛みがある
  • 前日の筋肉痛がひどい
  • 体調不良や風邪気味
  • 睡眠不足で疲れが取れていない

膝や腰に負担をかけない工夫

膝を曲げる向きはつま先と同じ方向にする、膝がつま先より前に出ないようにする(膝を曲げるというより、お尻を後ろに引くイメージ)、膝を曲げても腰は曲げずに背筋が伸びた状態を保つ

ウォームアップとクールダウン

ウォームアップ(5分間)

  1. 軽いウォーキング(その場足踏みでもOK):2分
  2. 足首回し:左右各10回
  3. 膝の屈伸:10回
  4. 腰回し:左右各5回

クールダウン(5分間)

  1. 太もも前面のストレッチ:30秒×2セット
  2. 太もも後面のストレッチ:30秒×2セット
  3. お尻のストレッチ:30秒×2セット
  4. 深呼吸:1分間

スクワットの効果を高める3つのコツ

1. プログレッシブオーバーロードの原則

体が慣れてきたら徐々に負荷を上げることが重要です。

負荷の上げ方

  • 回数を増やす(5回ずつ増加)
  • セット数を増やす(最大5セットまで)
  • 動作をゆっくりにする(3秒で下がり、3秒で上がる)
  • バリエーションを加える(ワイドスクワット、ジャンプスクワットなど)

2. 食事との組み合わせ

ダイエットを成功させるには、1日の消費エネルギーが食事による摂取エネルギー量を上回らないといけません

スクワット前後の食事のポイント

  • 運動前:軽い糖質(バナナ半分程度)
  • 運動後:たんぱく質を含む食事(プロテインドリンクなど)
  • 全体的に:バランスの良い食事を心がける

3. 記録をつける習慣

継続のモチベーション維持のため、以下を記録することをおすすめします:

記録項目

  • 実施日時
  • 回数・セット数
  • 体調・気分
  • 体重(週1回)
  • 写真(月1回)

よくある質問と回答

Q1. スクワットで脚が太くなりませんか?

A. 適度な自重スクワットで脚が太くなることはありません。むしろ引き締まった美脚効果が期待できます。脚が太くなるのは、非常に高負荷なトレーニングを長期間続けた場合のみです。

Q2. 膝が痛くなった場合はどうすれば良いですか?

A. 即座に中止し、数日間様子を見てください。痛みが続く場合は医療機関の受診をおすすめします。復帰時は回数を減らし、フォームを再確認してから始めましょう。

Q3. 生理中でもスクワットを続けて大丈夫ですか?

A. 体調に問題がなければ継続できますが、無理は禁物です。いつもより軽めの負荷にして、体の声に耳を傾けながら行ってください。

Q4. 効果が感じられない場合はどうすれば良いですか?

A. フォームの見直し、回数の調整、食事の改善などを検討してください。また、効果の現れ方には個人差があるため、最低3ヶ月は継続してみることをおすすめします。

まとめ:安全第一で理想の体型を手に入れよう

スクワットは正しい方法で継続すれば、確実にダイエット効果が期待できる優秀なエクササイズです。しかし、効果を急ぐあまり無理をして体を痛めてしまっては意味がありません。

大切なのは以下の3点です

  1. 自分のレベルに合った回数設定(初心者は1日10回×2~3セットから)
  2. 正しいフォームの習得(安全性を最優先)
  3. 継続可能なペース(完璧を求めず、続けることを重視)

美しく健康的な体作りは一日にしてならず。焦らず、自分のペースで着実に進めていけば、必ず理想の体型に近づけるはずです。

今日から始められる簡単なスクワット。あなたも一歩踏み出してみませんか?


参考文献

  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝」
  • 厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」

この記事は医学的アドバイスを目的としたものではありません。健康に不安がある方は、医師にご相談ください。